スプリング・エフェメラル「春の妖精」(前編)

縄文時代から生態系として始まったとされる「スプリング・エフェメラル」

"春の妖精"と呼ばれる春の山野草があります。

なぜそう呼ばれるのか?

 

春に地上に出て小さな花を咲かせ、夏には枯れてしまうからです。

短期間に地上で光合成を行い、地下茎に栄養を蓄えます。そして長い眠りにつきます。

 

代表的なのがカタクリ(写真*1)です。

カタクリは40年から50年の寿命ですが、7、8年は地下の鱗茎(りんけいという百合根のようなもの)に養分を蓄え続け、それから初めて花を咲かせます。

花は10日ほどで終わり、種をつけ夏になると葉も枯れてしまいます。

 

他にはどんな花があるでしょう?

2月の植物生態園の花に載せました、セツブンソウ(*2,3)、フクジュソウ(*4)、ユキワリイチゲ(*5)、ニリンソウ(*6,7)、

3月に咲き始めたイチリンソウ(*8,9)とハシリドコロ(*10)、そして、3月の温室(高山室)のオオバナノエンレイソウ(トリリウムの近縁種)(*11,12)です。

他にもありますが、実際に観察した花だけ載せます。

これらの花は、ほとんどが絶滅危惧種の貴重な花です。

 

今は4月。イチリンソウ、ハシリドコロ、オオバナノエンレイソウが咲いていました。

 

スプリング・エフェメラルは早春の山や、京都府立植物園の植物生態園で見ることができます。

小さい花たちは林の中で美しく輝いています。

 

  植物観察担当:佐々木