ラブライズブリーディング

 

 

ヒユ科ヒユ属

〈和名〉ヒモゲイトウ

〈別名〉フォックステール、インカウィート、kiwicha

〈学名〉amaranthus caudatus

 

amaranthusは、ギリシャ語のamarantosアマラントス「しぼまない」。

小種名のcaudatusは、ラテン語の尾状(cauda=teal)。地面に長く揺れた花の様子です。

 

京都府立植物園には園芸品種があります。10月から11月にかけて咲いていました。

 

11月の半ば過ぎて撤収されましたので、種は見えませんでした。

 

花はたわわに垂れ下がり、豊かな印象を受けます。

緑の葉と赤の補色がクリスマスカラーと同じですが、耐寒性のないラブライズブリーディングはクリスマスの花にはなれなかったようです。

 

 

《生態》

ラブライズブリーディングは鮮やかな色が印象的な一年草の植物です。

同じヒユ科で赤以外にうす緑の品種もあります。 

 

環境適応能力が高く丈夫です。

葉と実が食用になります。

 

実は、中米の遺跡から発見されています。古代より中米、南米で栽培され、大切な食料とされてきました。

現在もアマランサスという自然食品として栄養価が高く、穀物アレルギーの人も食べられることで注目されています。

 

葉は意外にもクックパッドで掲載されています。

 

花は小さな花が無数に集まっています。雌雄異花(単性花)の同株で、風媒花です。

(雄しべと雌しべが一つの花にあるのは両性花といいます。)

 

【萼片は5個、長さ2mmほど。雄しべは5個、雌しべ1個。

種子は白色で平たい円形。周りが紅色。】

*【】「牧野新日本植物図鑑」より抜粋

 

 

《色素》

鮮やかな赤色についてです。

 

「ベタレイン」という色素によります。

 

ベタレインは鮮やかな黄橙色から赤紫の発色をしています。

解明されてない色素です。

最近ではベタレインをつくるための遺伝子がわかりつつあり、生合成の謎も明らかになりつつあります。

 

(「植物のたくらみ香りと色の植物学」 西原昌宏著より引用、抜粋)

 

 

下記の《植物色素》《ベタレイン》に詳しく記載しております。

  

 

ラヴライズブリーディングの赤い茎は地を這い、まるで血が流れ落ちているようです。

垂れ下がる小さな花は雄雌異花。人間を思わせます。

無数の花たちの集まりは人の集まり、集合意識を表しているかのようです。

 

 

 

《フラワーエッセンスの定義》

 

苦しみに個を超えた意味を見出すことがテーマのエッセンスです。

 

精神的・肉体的な苦しみを味わうと、時に人の意識は内へと向かい、孤立感に苛まれます。

ラブライズブリーディングのエッセンスは、苦しみを直接楽にするのではなく、意識を外へと向かせ、個を超えた苦しみの意味や目的について、慈愛に満ちた気付きをもたらします。

 

(参考文献:「フラワーエッセンスレパートリー」(BABジャパン)「フラワーエッセンスハンドブック」(フラワーエッセンス普及協会))

 

 

《植物色素》

植物の葉や花の色は主に

フラボノイド

カロテノイド

ベタレイン

クロロフィル

の4種類の色素により発現します。

(詳しくは、追記をご覧ください)

  

 

【人間の目】

これらの色素は特定の波長の光を吸収し、残りの波長の光は反射する性質があります。

反射した光の中で、人間の目で見える範囲の波長の光(可視光)が色として認識されます。

 

例えば葉が緑色に見えるのは、葉に含まれているクロロフィルやカロテノイドが赤色や青色の光を吸収し、緑色や黄色の光を反射するからです

 

 

《ベタレイン》

ベタレインは大きく分けてベタシアニンとベタキサンチンに分類されます。

ベタシアニンは赤紫色を発色し、ベタキサンチンは黄色を発色します。

また、ベタシアニンとベタキサンチンが混在することで、赤や橙色が発色します。

 

 

ベタレインを含む植物群は、ナデシコ科、イソマツ科、ザクロソウ科を除く、

ナデシコ目(ツルムラサキ科・スベリヒユ科・ヒユ科・アカザ科・サボテン科・ オシロイバナ科・ヤマゴボウ科、ツルナ科など)に限られています。

 

代表的なものとして、オシロイバナ、ケイトウ、マツバボタン、ブーゲンビレア、サボテンの仲間などがあげられます。

ビーツやドラゴンフルーツの赤色もベタレインです。

キノコのベニテングダケの毒々しい色はベタシアニンによるものです。

 

自然界ではベタレインとアントシアニンは共存することはありません。

近年は遺伝子操作により、この二つの色素を共存させた実験が行われています。

(植物のたくらみ香りと色の植物学 西原昌宏著より抜粋引用)

(農研機構・花き研究所 色素の基礎知識 "植物の色を構成する4大色素" "ベタレイン"より、抜粋)

 

色素は植物が身を守る為にあります。人間の体にもよいことから、注目されています。

 

 植物観察担当:佐々木  編集:箭内

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<追記>

【植物の色をつくりだす4大色素】

 

フラボノイド(赤〜青、淡黄)グループ

〔ブラバン 〕〔フラボン 〕〔フラボノール 〕〔カルコン、オーロン 〕〔イソフラボン 〕アントシアニン

*青色の色素はアントシアニン 〕だけです。

 

カロテノイド(赤〜黄)グループ

〔カロテン 〕リコペン  βカロテンなど

〔キトサンフィル 〕ルティンなど

 

ベタレイン(赤〜黄)グループ

〔ベタシアニン〕〔ベタキサンチン〕

 

クロロフィル(緑)グループ

〔クロロフィルa〕〔クロロフィルb

 

*カロテノイド以外は、pHにより色が変化します。

一般的にアントシアニンは酸性では赤色、中性では紫色、アルカリ性では青色になります。

ベタレインはアルカリ性で黄色になります。

 

クロロフィルは酸性で褐色、アルカリ性で緑のままです。

色はpH以外に酸素・光・水分・温度などの影響も受けます。

 

アントシアニンによる青色発色は、金属による青色複合体の場合があります。

複雑な分子構造で青色を作っている花に矢車草があります。

紫陽花は、pHによりアルミニウムが吸着して色が変化します。 

 

(「植物のたくらみ香りと色の植物学」 西原昌宏著より引用、抜粋)